「 春めく 」

中小企業(金融機関等)の市場運用における基礎の基礎

誰も読んでないと思ってましたが・・・

 誰にも読まれてないと思ってましたので日記のつもりで書いてましたが、数名の方は読んでくださってるようで、もう少し真面目に解りやすく書かないとって反省しています。

 私は運が良く15年以上小さな金融機関で市場運用をやってましたが、ご承知の通り金融機関の運用担当者はサラリーマンなので運用の基本が解らないまま異動になってしまいます。だからと言って、投資会社や証券会社の運用とは求めるものが違うので担当者を引き抜いても上手くいかないことが多いようです。私の会社の運用資産は数百億円でしたので運用は一人で行わなければならず、バブルの崩壊による不良債権処理も重なり毎年十数億円を稼ぐ必要がありました。時価会計の導入、株価の低迷からそれまでの株式にのみ頼ってきた運用ではこの金額を稼ぐのは困難となり色々な運用を試し、損失を出したこともありましたが、この経験から金融機関が取り組むべき運用(負けない運用)が私なりに見つけられた気がします。少しだけ上に行くこととなりフロントから外れたことからそのノウハウを残すこととしました。運用はどちらかが損をするとどちらかが儲かる仕組みになっています。間違いだらけの運用(手数料の払い過ぎ・儲けを考えない投資・リスクを考えない目先の投資等)に気付かずリスクリターンが計算できないのは担当する期間が短いと言うサラリーマンの宿命かもしれませんが、これを収益源とする商売が存在するのも事実です。

 もう一つ運用を難しくしているのが当局の対応です。こちらも担当者はサラリーマンなのでマニュアルどおりの対応となります。今流行りのアクションプランは「金利の急激な上昇」「株価の急落」等が起こった場合にどのような対応をするかを考えておくことのようですが、私はかつて「その時は買いなので、その時のために十分な流動性資金(中短期債を含む)を確保しています。」と答えて「運用の話ではなくてリスク管理の話をしています。」と切り返されたことがあります。しかしながら、アクションプランで売却しなければいけない証券を持っていること自体リスク管理ができていないのであって、損が大きくなってから売るのはおかしく、アクションプランとは関係ないような気がします。もし、アクションプランを作成していて、金利が〇〇%上昇したら〇〇債券を売りますといったことが書いてあったらこれは普通に考えてもおかしい。でも当局にはOKかもしれません。これが運用を混乱させているのかもしれないし、これでは儲けられないとも思います。

 これからは、テーマに沿って「間違いだらけの勘違い運用」について書いていければと考えています。騙されると言ういい方は間違いかもしれませんが、収益面で損をしているのは事実で、マイナス金利政策の中、誰もが必死で生き残りをかけて戦っています。おこがましいですが、少しでもお役に立てばと考えます。