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「 春めく 」

中小企業(金融機関等)の市場運用における基礎の基礎

マーケットニュートラルと言う投資信託

 「債券の含み益が無くなってしまったら・・・」というタイトルで投稿する予定でしたが、またまた、マーケットニュートラルが流行ってると言うのを聞いてこちらを先に検証することとしました。

 以前、マーケットニュートラルが大流行して、すぐに姿を消した事がありましたが、今の運用担当者はその事はご存じないらしく、やはり夢の投資商品のように考えている方が多いらしいです。今はAIの時代ですから運用方法は以前とは異なるのかもしれませんが、マーケットニュートラルは株価が下落することが大前提で、以前姿を消した原因は、株価が上昇したにもかかわらず投資信託の価格が下落し、マーケットニュートラルとしての役割を果たさなかったことにありました。株価は下落が当たり前、でも配当金は魅力といった時代背景があったように思います。

 今のマーケット環境はどうでしょうか、なぜこの時期にマーケットニュートラルが流行るのか、株価が上昇基調であれば、わざわざ手数料を支払ってヘッジする必要はないわけですから運用担当者は株価は下落すると考えているのでしょうか。おそらく、債券で利息収入を確保できなくなったことが大きな要因ではないかと考えます。以前にも言いましたが、国内で2%の利息(配当)収益を確保するためには株の配当金くらいしかありません。しかしながら、価格下落リスクの大きい株式を多額に購入する訳にもいかず、マーケットニュートラルと言う計算上リスクの小さい夢の投資信託に資金が流れているのだと考えられます。

 では、本当に夢の投資信託なのか、VaRと同じで、過去のデータから今後を予測して運用することは理論上可能だとは考えられますが、マーケットニュートラルは事実上不可能だと考えた方が現実的な気がします。フルヘッジすれば儲けは出ないので上昇か下落かどちらかに投資を傾ける必要があります。予想が外れた時点での反対売買はヘッジではなくて損の確定でしかありませんから、今のマーケットニュートラルは急激な株価下落で損が発生することになります。手数料も払ってるので損はそれ以上かもしれませんね。もう一つ考えなければいけないのが、「この投資信託の運用シナリオを過去のマーケットでシミュレーションしたトラックレコードは〇〇%の運用成績となります。」と言ううたい文句です。トラックレコードの悪い投資信託は売れない、言い換えれば投資信託は過去のトラックレコードに合わせて設計されており今後のマーケットシナリオは反映されにくいということです。理論上はローリスクでもハイリスク・ローリターンとならないように注意が必要かと考えます。

 ところで、債券の含み損益は10年金利が0.4%程度上昇しただけで無くなってしまうことは良く言われますが、金利が上がらなくても5年後には無くなってしまうことはあまり言われていません。おそらく運用担当者は知ってると思いますがその対策が無いことから誰も言わないのかもしれません。ベンダーからの還元資料にもあると思いますが、縦軸に金利、横軸に残存年数としたグラフの中に残高と含み損益を入れていくと一目瞭然かと思います。当局からこの対策について何も言われないのは、今後の金利上昇を物語っているのかもしれませんね。運用担当者にとって今は居心地が良いかもしれませんが、今後の対策に今から取り掛からないと大変なことになりますよ。サラリーマン運用担当者では難しいかも、不良債権も増えますよ・・・